MESSAGE先輩メッセージ

こうのとりでは、介護職員以外の専門職が入職する際に、約1か月かけてそれぞれ介護現場を体験してもらっています。
まずは生活されている入居者様・利用者様の一日の流れを知り、顔を覚えて頂き、その方の特徴やこだわりについて確認し、更には介護職員と顔見知りとなっておくことで連携しやすいようにとの思いから行ってもらっています。
今回のクロストークに参加したメンバーも現場体験をしており、その際に何があったのか、それぞれの想いを伝えてもらいました。

現場体験

司会

実際に現場に入ってみて、どうでしたか?

鹿島看護師

こんな法人は初めてでした。私は看護師なので病院経験もありますが、医療現場ではなく、こうのとりは生活の場なので、看護師としてどういう風に寄り添っていくのかを迷っていたので、すごく良いきっかけを頂けました。
私の前に入職した看護師さんは入っていないと言っていたので、私が初めてですもんね。2020年2月入職で、3週間ほど現場体験しました。

一同

えー。そうなんですね。看護師内で現場に入っている人と入っていない人とで確執は出ましたか(笑)

鹿島

いやいやいやいや(笑)

一同

爆笑

クロストークの風景
鹿島

それは全然ないですけど、私自身おじいちゃん・おばあちゃんと触れあうのがスゴイ大好きで、面接の際に最初に周るってことを聞かせてもらってたし、看護職として入るのではなくて、一スタッフとして入居者様・利用者様と触れあわせてもらって、「こういう人なんやな。ああいう人なんやな」ってお年寄りさんの情報も得れて、一番はスタッフさんとコミュニケーションをとれるようになったのが、すごい良いことなのかなって。
私達看護師の目だけではなく、24時間365日一生懸命支援してくれている介護職員さんの目も無いと、一側面だけじゃ見えない部分・思い込みの部分もあると思うんですけど、「そうじゃないよ。この人はこういう感じで過ごしてきて」っていうことを聞かせてもらったりとか、看護職として入ったときに「あぁ、こういうことを言ってはったな」とか、あとは介護職員さんとしゃべりやすくなったから色んな事を聞けたりとかして、すごく周ったことはよかったかな。と思います

司会

渡邉さんは介護職からですよね?

渡邉生活相談員

僕の場合は介護職員から入って、ちょうど3か月後、施設長から振り返りの面談があって、そこで声がかかったんです。

清家介護支援専門員

もともと相談員がしたかったわけではないんですか?

渡邉

全く違いますね。もともと介護職をしたくて来たんですよ。でもチャンスが来たので。

清家

でも、どうですか? 上に3か月いて、今ショートステイの生活相談員をやってみてどうですか?

渡邉生活相談員
渡邉

介護の経験は20年近くやっているので、その経験がご利用者様間のご自宅に伺っても、ここは見ておかないといけないなっていう目が向けれているかなと思います。でもこうのとりに来て、ベッドの向きとか、どうやってトイレに行くのかなどもすごく大切な情報なんだと思いました。現場経験が無かったら、後から聞かれても「私もわかりません」って言っていたかなと思います。各階を回ってこうのとりは入居者さんの生活を大切にされているのがよくわかりました。

一同

確かに。

司会

冨田さんは高齢者施設って初ですよね?

冨田事務員

私は初です。事務もほとんど初めてやったんです。現場に行って初めて介護士さんと出会って、こんなことしてるんやっていうところから、こうやって食事を準備してるんや。っていうところから、短い期間でしたが何から何まで新鮮でした。

司会

なんで事務職をしようと思ったんですか?

冨田

事務職をやりたくて、やるんやったら興味のあるところがよくて、介護施設の事務がいいと思って応募しました。面接みたいな返答になってますけど(笑)

一同

(笑)

冨田

筒井さんは結構、現場に入っている期間長かったですよね?

筒井管理栄養士

そうなんです

一同

途中でコロナになって・・・

筒井

ショ-トステイ・デイサービス・2階は行けなかったんですけど、コロナの隔離フロアで防護服を着て働けたのは、すっごい良い経験になりました。

一同

へぇ~

筒井

すぐにコロナになっちゃいましたけど(笑)。でも実際、あれ(防護服)を着て入れたのは、本当にすっごい良い経験になりました。

渡邉

私も着ていました。着た人しかわからないと思います。

筒井

そうですよね。着にくいし、あれを着て実際に介護するのはすごいなと思って。
私は入ったばかりで出来ることが限られているからそれほどでしたけど。

渡邉

あれを着て入居者さんと対面すると、顔がわからないから「誰この人?」みたいになるので、名前をわかるように工夫したり。顔はわからないけど、名前はわかるようにとか。
汗ビッショリになります

司会

清家さんは入浴支援に入ったりしていましたよね?

清家

私は鹿島さんのすぐあと、2020年4月から一か月ちょっと入っていました、一つの階に1週間ずつ、ショートステイとデイサービスは無かったんですけど、特養ばっかりガッツリ入らせていただきました。
各階を1週間ずつで、4階とか7:00~で始発に乗らないと間に合わないかな(笑)とか、思って。
かと思ったら遅出とか早出とか、身体がおかしくなりますけど、もともと介護職で介護技術などの経験もあり、少しはわかっていたので皆さんのお荷物にならないように、最後の方は一人でリフト入浴の支援もさせていただけるようになりました。

一同

すごーい!!

清家介護支援専門員
清家

フロアに入っている1週間の間で2回目の同じ方の入浴の機会に勤務に入れて、2回目やったら一人でも行けるわって思えるくらい介護士さんが丁寧に教えてくれたし、本人も「こうして、ああして」って言ってくれる方だったので、できるわって思えて。そういったところで、皆さんの生活リズムとか生活習慣に応じて、この勤務がいいからこれだけの勤務形態があって、臨機応変に対応できるようになっているここは凄いなぁ。って、入居者さんの生活主体でされているんやなっていうことが、各階を回ることでよりわかったし、各階、物の置き場所や居室の設え、食席も何もかも違いますよね。
「同じところになんで物が無いの!?」って思うこともあるけど、それは在宅に近いような環境を考えているから、より一人ひとりの生活を大切にしているから、一人ひとりが生活習慣も人間関係も違うから、そういったところで物の配置が違うんだ。と学ばせていただいたし、ケアマネとして、見聞きしている情報だけでなく、自分の目で確実に見ることができて、現場を離れても、その時の情報が活かされて生活関連の中で紐づけることができたし、より皆さんの動きがわかるから、「この時間帯忙しいやろな」とかわかるし・・・

冨田

確かに。それ、わかります!

清家

内線連絡をかけないといけないときに、忙しい時間帯やし「ごめん、あとでかけなおしたほうがいい?」とか、最大限配慮出来るし、繋がらんなってわかったときは自分から行くようにするし、介護士さんの動きが見えるからそういった対応もできるようになったというところはありますね。

冨田

清家さんも施設は初めてなんですか?

清家

施設ケアマネは初めてで、より入居者さんの生活に密着した支援・ケアプランを立てたいって思って転職しました。
居宅のケアマネは、いろんな職種から情報をいただいたり、聞いたりできるけど、生活に密着っていうことがなんかしづらいっていうことがあって、それやったら今までしたことのないジャンルで挑戦してみようって施設に来させてもらって、体験の1か月が物凄く楽しくって、いろんな方に触れ合えたり。
ケアマネって出してしまったら、ちょっと構えられる? 居宅やったら「調査員さんが来た!」みたいな感じで、ちょっと普段とは違う姿になったり、興奮される方もいらっしゃるので、そういうのも無しで触れあえたことで、あとでパッと会いに行ったときに「あの人ケアマネやったんや」みたいなね。
でも、顔なじみになっていたので、気軽に声をかけてもらえたり、呼んでもらえたりとか。
現場体験が生きたなって思います。

藤田機能訓練指導員

僕は未経験で来させてもらって2022年7月に入職して、1ヵ月間で全部回らせてもらいました。1~6階・デイサービスも行ってショートステイも行って。
最初はチンプンカンプンでしたね。やってることはわかるんですけど、どこを見たらいいのかなって思って。
動きをしっかり見てほしいってアドバイスをもらっていたんですけど、まず全体の入居者さんと触れあえて、初めましてじゃなくて、2回目3回目と重ねていくと、この人こんな感じで動いてたなってわかるので、なおかつ機能訓練的に見たら、こういう動きがもう少しできそうやなって繋がっていたように思います。
経験して、1~2か月後くらいに、「そういえば」っていうような感じで役に立ったかなって思います。

一同

確かに

藤田

最初のころは覚えるだけで精一杯っていうようなところがあったんですけど、1~2か月程経ったころに伸びたと思います!

一同

(笑)。どんなところが伸びたと思いますか?

藤田

「あっ、この動き出来そう」みたいな、予測を立てやすくなりました。やってもらったら、できるところの判断がしやすくなったと感じました。
80歳以上の身体のつくりを見ることが初めてだったので、もともと30~50代の骨の変形もなく、持病もない、ある程度動ける方を整骨院でみていたので、ここに来た時に「あっ、この動きができやんのか」とか「背中が曲がっているな。膝伸びひんねや」っていうことを知れたことは活かされているかなと。

一同

うんうん

本音トーク 職員編

司会

さてさて、皆様の体験も一通りお聞き出来ました。
体験の際には介護職員が指導でつく形となっておりますが、その際誰が一番とっつきやすかったですか?包み隠さずでいいですよ(笑)

冨田

私、6階と、2階の方が印象的でした。

筒井

私は3階で長かったから、なのはなのプランナーさんですね。隅々まで教えてくれました。

清家

私は一番最初の4階介護主任ですね

一同

あぁ~(納得)

清家

出すとこ出して、あとは引いて見てくれている。ある程度任せてくれてはった。そこは怖いところでもあるし、勇気やと思うんですけど、温かい目で見守ってくださっていたなぁって。で、後からフォローもしてくださっていたなって。別の方に付いているときも、フォローしてくれていたし、振り返りもしてくれたし。
良い印象をもった人は他のフロアにもいましたけど。

渡邉

僕は6階介護主任ですね。本当に自分なんかに2週間くらい付いてくれて、渡邉さんにはもう教えることはないんですって言われて。

一同

へぇ~

渡邉

「いやいや、もう少し教えてもらえませんかね」って言ったんですけど、主任は「もういきましょう」って。
でも、そうやって送り出してくれた主任は、2週間の間、みっちり教えてくれたので後は自分から率先していかないとわからないので、いい感じに背中を押してもらえました。

藤田

僕の中で残っているのは1階フロアマネージャーですねぇ。一個一個詳しく教えてくれていました。

現場体験から得た繋がり

司会

介護士さんとの関係性で影響したエピソードはありますか?

筒井

話しやすいですね

一同

即答ですね(笑)でも本当に話しかけやすいですよね

冨田

誰に聞いていいかわからないことを、お付きの方に聞けたし、忙しくても話聞いてくれて嬉しかったです。

藤田

そのあとも現場に行きやすいですね

一同

行きやすいですね

渡邉

誰に声をかけても嫌な顔をしないですよね。むちゃくちゃ忙しそうにしていても、自分が今コレを聞きたいっていうときに、「うん、いいよ」って、全然嫌な顔をしなかったので、自分の中では凄い聞きやすかったなって思います。

冨田

聞きやすかったですぅ(同調)

鹿島

そういう姿を見ると、こっちも手伝わせてもらわないとって思います。それがこうのとりが進めている多職種連携なのかなって今も実感できます。ほんとにいい環境。

一同

働きやすいですよね。

清家

この関係も是非他の皆さんにも感じてほしいですね。繋げていきたいです。